オンライン依存性症候群

洋楽(以前は全般、次いでSmooth Jazz、最近はCafé Del Mar)とアニメが好きな人が、ネットレーベルの運営と音楽活動をしながらネットレーベルを旅していました。今はネットレーベルの運営を継続しつつアニメを観て、ここにその記録を書き記しています。

Bump Foot (foot164) Megatone - Secret Journeys

Megatone - Secret Journeys [foot164]

今年最後のリリースは、ノンビートのアンビエントアルバムです。モルドバのアーティスト、Marcel GhermanことMegatoneは、CDやオンラインMP3で数々の作品をリリースしてきており、Kenji Siratoriとのコラボレーションも果たしています。「Secret Journeys」は10篇のJourneyから成り、その音と曲調は今年の締めくくりとしても通用するところがあるように感じます。
今年、foot sideはfoot130に始まり、本作までの35のリリースをしました。bump sideの方は、bump124からbump145までの22作品で、両者のカタログ数の差がまた開きました。来年はどうなるでしょうか。

Bump Foot (foot163) Chooko - Orbeatal EP

Bump Footとしては3人目の、クロアチアからのアーティストです。IDMトリップホップで構成された7曲入りのEPは、TR-707の音を用いたオールドスクール的な楽曲などもあります。ヴォーカルが層を成すTr. 4「Flower Tower」は、Julien Mierにも通ずるところがあるように思えて、個人的なお気に入りです。

Bump Foot new releases : bump145 and foot162

[bump145] AKU - Metallic Speakers

  • http://www.bumpfoot.net/bump145.html
  • new release : bump145
  • Insomnia」に続く第二弾リリースは、今回もガンガンに攻め立ててきます。2曲目から5曲目まで、演奏時間が同じです。多分、BPMも同じなんじゃないかと。1曲目も演奏時間は近似してます。

[foot162] Cagey House - Ratty Boo

  • http://www.bumpfoot.net/foot162.html
  • new release : foot162
  • 当レーベルでの3作目。またしても独特の音世界です。FL Studioを使用している人なら、この楽曲に使われているシンセの音に、馴染みのあるものがあるでしょう。

Passage (PASS 010) Motionfield - The Sound Of Snow

http://www.passagemusic.net/index.php?id=46
ロシアのネットレーベルPassageからのニューリリースは、ドイツのStadtgruenからのリリース経験もあるMotionfieldによる、これからの北半球にふさわしいとも言えるアンビエントアルバムです。Kahvi Collectiveの「Once Nomadic」(kahvi297)を聴いたときにも感じた、ひんやりとしていてなおかつシャープな印象がここにもあります。パート1からパート10まで、シンプルに名づけられた10曲、70分間の「雪の音」です。

Bump Foot (bump144) Krzho - Elements Part 3 (Water)

http://www.bumpfoot.net/bump144.html
Bump Footのbump sideから、久々のリリースです。スロベニアのKrzhoは今年に入ってから、当レーベルで「Elements」プロジェクトを行っており、これまで第一弾の「Air」(bump129)、第二弾の「Fire」(bump138)をリリースしてきました。そして三作目は「Water」であります。これまでと同様、収録されたミニマルテクノ4曲は当該の要素を曲名に持っています。

  1. Water Breathing (7:42)
  2. Water Resistance (10:05)
  3. Waterproof (7:11)
  4. Water Cycle (6:49)
シリーズをここで紹介したことはなかったので、ジャケット画像の縮小版を並べてみました。
new release : bump129new release : bump138new release : bump144

Ideology (id062) Dr Freebs - The Freebie Treat

http://www.ideology.de/archives/audio000245.php

ファンク、ソウル、ヒップホップ、ハウス、ラウンジ、ドラムンベース…ドイツのネットレーベル「Ideology」が擁するジャンルを一挙に網羅した感のあるアルバムです。聴いている最中、同郷のTokyo Dawn Recordsのことも思い起こしていました。二つのネットレーベルは、楽曲のラインアップが似ている印象があります。全11曲、68分の内容から、Tr. 6「The Love Lounge」とTr. 9「Take cover」を個人的な好みとして挙げておきます。

(リリース前プレビュー) Turn The Lights On EP

緒言

9月下旬から11月上旬まで、ちまちまと制作してきた「Turn The Lights On EP」をネットレーベルに送ってみたところ、デモが受理されました。リリースの日などは追って連絡が来るのでしょうが、今のところ音沙汰なしです。かといって、公開されるまでの間じっと待つのも退屈で、或いはリリースの話がお流れになってしまうかもしれません。そこで、SoundCloudにMP3をアップロードして、全曲試聴できるようにしてみました。

リンク

このEPのトラックしかないので、いずれのリンクから辿っても似たようなもんだと思います。

制作のきっかけ

帰宅時には暗くなっていて、帰り道は街灯やら家屋の灯りを見ながら歩く今時分、それらにまつわる楽曲を作ってEPにしようと思い立ちました。ほぼ「何でもあり」なBump Footとは別に、「暗所を照らす灯火」を念頭にしたミニマル・アンビエント系のネットレーベルでも立ち上げようかと思ったこともあり、これはそのレーベルにおける初期のガイドラインも意識していた記憶があります。

概論

制作ペースが最も速くて楽しかった、2006年冬から2007年春にかけての「あの頃」への回帰などを狙っていると言えます。正弦波を何かと持ち出していたあの頃のように、本作は全て正弦波を使用しています。2009年にリリースした「Internet Dependence Syndrome」のような法則がまた発動しています。今回もBPMは全て奇数で、107、111、115、119、と等差になっています。

各論

1. Going Home At Dusk (6:26) [111BPM]

最初に取り掛かり、最初に出来上がった曲です。「夕暮れに帰宅」というタイトルで、今回のEPのコンセプトを定めるためにもこんな感じという風に。四つ打ちではなく、二つ打ちとでも言えます。ダウナーな雰囲気になっています。いつもこんな気分で家路に就いてるわけではないのですが。

2. Lazy Dance In The Dark (5:29) [107BPM]

実は2〜3年前に一度制作しかけて途中で放棄したのですが、今回のEPには合うんじゃないかと考え、記憶に残っていたのをもう一度打ち込み、後は今の自分が補完しました。前半は手拍子の四つ打ちで、後半はバスドラムと一緒に。シンセのサンプルのエンベロープをいじっていたら、フルートみたいな音になったので、「闇中のけだるい踊り」としました。森の中で火を焚いて、その周りをゆんゆんと踊っている集団のイメージ。

3. Turn The Lights On (6:01) [115BPM]

ここから雰囲気がガラッと変わり、いつものミニマルハウスになります。タイトルトラックです。曲中でタイトルコールした方がいいと思って、スピーチエンジンをいろいろ試したりしたのですが、巡音ルカに言ってもらうことで解決しました。当初は日本語スピーチエンジンも候補に挙がっていて、「たあんざらいつおん」とか、もろ日本語的な発音で世に出る可能性もありましたが、「それっぽく」聞こえる巡音ルカで決まりでした。

4. It Took So Much Time (6:17) [119BPM]

3曲が出来上がった状態で、このままだとタイトルトラックが浮くなー、とか、やっぱり4曲あった方がバランスいいよなー、と思っていたところ、何とか4曲目の座に来てくれました。これもいつものミニマルハウスです…というかそうじゃないと、EPのバランスがよくなっても、タイトルトラックが浮きっぱなしな状況は解消されませんので。FL Studioに付属しているシンセサイザー「Autogun」を用いています。