このレーベルをもって、2006年の巡礼の旅を終える。2004年に発足したオランダのネットレーベルWM Recordings。こちらも去年の第二章の辺りにすでに候補として挙がっていたが、ようやくここに来ることになった。「WM」とはWeirdmusic (サイト内ではWeirdomusicという表記が見られる)の略であると思われる。少し「違った」楽曲を集めている。このレーベルはリリースのペースが速いため、調査したときはまだ30弱だったリリースが、現在では54となっている。今週末から来週にかけて聴いていく。
- [WM001] 「Various Artists - Water, wind and sails」
- サウンドスケープ、ブルーグラス、ファンク、バラード、エクスペリメンタル、ノイズ、カットアンドペースト、エレクトロニカと、過去に聴いたどのレーベルよりも多彩なジャンルを擁するレーベルの、これからの指針となる全16曲のコンピレーション。
- [WM002] 「Chenard Walcker - Rain」
- 多数のサンプルを切り貼りして作るcut and paste (カットアンドペースト)アーティストChenard Walckerによるリリース。ダウンテンポやファンクのトラックに、エスニックやオールディーズのボーカルが重なる。
- [WM003] 「Weirdomusic - Collaaage」
- WM Recordingsの創設者によるMarco Kalnenekのアーティスト名義がWeirdomusic。本作品は、1982年から91年にかけて友人と行ってきたセッションを、カセットテープに録音したものらしい。
- [WM004] 「Various Artists - Extremely mild and pleasant tasting / The best of Bob Chaos Recordings 1984-1986」
- アメリカのインディアナで、1984年から1988年にかけてカセットテープのみのリリースを行ったBob Chaos records。その楽曲をコンパイルしたベストアルバム。ロックやエクスペリメンタルからなるローファイな全22曲。
- [WM005] 「Jan Turkenburg - Splogman's sixth sense」
- もうひとりのカットアンドペーストアーティスト。こちらは映画のサウンドトラックを思わせる。
- [WM006] 「Chenard Walcker - Vize verze」
- WM002のChenard Walcker再び。「オランダで入手したサンプルのみを使って作られたアルバム」とのこと。
- [WM007] 「Phil Reavis - Driving me backwards」
- 先述のBob Chaos recordsから多くのリリースをしてきたPhil Reavisによる、ローファイロック。24曲、74分半、CDの容量を使い切った一作。
- [WM008] 「Roy "Chicky" Arad - Sputnik in love」
- こちらもローファイな音質。時折リズムマシーンを使ったポップが出てくるが、メインはギターを用いたロックもの。
- [WM009] 「Happy Elf - First contact」
- パーカッショニスト、ギタリスト、ドラマーであるJeroen Elfferichのソロプロジェクト。エレクトロニカを基軸に据えたポップ。
- [WM010] 「Datapanik - Unknown questions」
- チープな機材を用い、リハーサルや準備なしで「その場で」曲を作る3人組みのユニットDatapanik。エクスペリメンタルとインディートロニカ。こちらもローファイ。