clear-cut-records - label for minimal moments
今年のネットレーベル巡礼の旅は、ドイツを拠点とするこのレーベルから。フリーダウンロードのMP3の他、コマーシャルなリリースも行っているが、ここでは前者を取り上げる。mp3 releasesのカタログ数は、現時点で23である。(追記 : 実際に聞いたのは先週です。)
[ccrecmp3001] Angel Galán - City Pulse EP
最初のEPは、スペインのマドリードから。初回からディープな路線。スペイン発のこの手の音とくれば、Inoquoを思い起こす。四つ打ちではないTr. 4「Invaders May Be Friends」をピックアップする。
[ccrecmp3002] Funkzelle - Day Day EP
Gerd NeusserとJürgen Riegerの二人からなる、同郷ドイツのユニット。こちらもディープなミニマルハウス。ヴォーカルをフィーチャーした、比較的スローなタイトルトラックのTr. 4を挙げておく。
[ccrecmp3003] V.A. - clear-cuts A Compilation Vol.1
ここでコンピレーション。前二つのアーティストに加えて、スペインはバルセロナのAsférico、そして、IdeologyやYuki Yakiでお馴染み、ドイツのGlanderが参加している。そのGlanderによるTr. 3「Changes」が好み。
[ccrecmp3005] Tepresto - Conception EP
ポーランドから。TechnoのTeに、prestoを合わせた造名。当初はBPMの速いテクノをやっていたが、後に現在のスタイルに。Tr. 1「Conception」は、耳に刺さるノイズと、心地よいパッドの対比。
[ccrecmp3006] Angel Galán - Introspecto LP
セカンドリリースはLP。最初のEPとは打って変わって、タイトルにもあるように、Introspective(内省的)な作品。
[ccrecmp3007] Jeff Willett - Conscience Utterance EP
カナダのカルガリーから。曲名は何の略なんだろうか。Tr. 1「CU」は、EPタイトルのConscience Utteranceかもしれない。Tr. 3「TM」をピックアップする。Tr. 4「GP15」は、Thinnerを想起させるような音。
[ccrecmp3008] Senuelo - Clima Artificial
メキシコのRosendo Arteagaによるプロジェクト。ちょっとローファイなシンセパッドを用いた、リラックスできるミニマルハウス。
[ccrecmp3009] Lilliehorn - Commuter LP
スウェーデンのTobias LilliehornによるLP。アナログシンセを多用している。Tr. 5「Lilly」を挙げる。
[ccrecmp3010] V.A. - Different Lights
10番目のリリースは、やはりコンピレーション。既にここからソロリリース経験のあるアーティストしては、Jeff Willett、Tepresto、Angel Galán、Alex Nevsky、Lillehorn、Funkzelleの6組。前のコンピレーション(ccrecmp3003)に参加していたGlanderとAsféricoがここにも。ディープな浮遊感のAlex Nevsky(Tr. 6)とか、女性ヴォーカルありのFunkzelle(Tr. 8)などあるが、やはりGlanderのTr. 3を推す。
[ccrecmp3011] Mikel Mendia - Ibai EP
ミニマル系のネットレーベルでその名前を目にすることがある、スペインのアーティスト。EPの最後、寛げる感じのTr. 4「Sadar」を選びたい。
[ccrecmp3012] Collen Vax - Time For Publishing
ポーランドのテクノDJ。clear-cut-recordsのラインアップはハウスがメインだったが、これはフロアー向けのテクノ。Tr. 1「New Highness」は特にあからさまに。
[ccrecmp3013] Jeff Willett - Desires Stomped By Reaction
Jeff Willettのセカンドリリース。4つのトラックのタイトルが「action」を含む単語で終わるようになっている(韻を踏んでいる)。Tr. 3「Satisfaction Removed By Action」を挙げておく。
[ccrecmp3014] Lilliehorn - Remover
前作に続き、今回もLP形式。全体を通して、ドラマティックに展開する。Tr. 4「Kingfisher」をピックアップする。
[ccrecmp3015] Chechnyan Love - Amalgamation
アメリカのSamuel Quallsによるプロジェクト。4つ打ちもあるけれど、アンビエントやジャズっぽいものまで。ハウスやテクノでない楽曲のリリースはこれが初めてと思われる。
[ccrecmp3016] Meto - Further Development
路線は再び4つ打ちミニマルへ。前に前にと突き進む感じのテクノがドイツから。Tr. 2「Rex And Hans In Space」は、NASA TVから引用した音声を含む。
[ccrecmp3017] V.A. - Clear-cuts Vol.2
ccrecmp3003に続く、clear-cutsコンピレーション二回目。ソロリリース経験のあるアーティストしては、Chechnyan Love、Jeff Willett、Lilliehorn、Meto、Collen Vaxの5組。Glanderは今回も参加。そしてカナダのE-teb (Diplomatikからのリリース経験がある)が新たに加わっている。
[ccrecmp3018] Senuelo - Four Episodes
Senueloのセカンドリリースは、演奏時間がちょっと長めの、ディープなミニマルテクノ。Tr. 1からTr. 3までが未明で、Tr. 4で明るくなる、という印象。
[ccrecmp3019] Roman Wilenski - Split Personality
ロシアのアーティスト。Bump Footでもリリースしたことがある。ダークなんだけど疾走感があるのは、Bump Footのリリースと同様。余談だが、Bump Footにコンタクトしてきたときには「Wilenski Roman」だった。
[ccrecmp3020] V.A. - The Wire
20番目のリリースは、二回目のアニヴァーサリー・コンピレーション。part oneは、当レーベルの楽曲を、別のアーティストがリミックスしたものを集めている。全12曲のリミックスのうち、半分はclear-cut-recordsのアーティストが、もう半分はTonkultur Berlinのアーティストが担当している。part twoは、リリース済みの19曲をE-tebがノンストップ・ミックスにしたもの。
[ccrecmp3021] Collen Vax - Swirling Zone
Collen Vaxのセカンドリリースは、効果音が飛び交う「サイコ・テクノ」。フロア向けのビートは本作品でも健在。
[ccrecmp3022] Systemton - Hidden Speed
Funkzelleの別名義。Inoquoなどのミニマル系ネットレーベルで見かけるのは、Funkzelleよりもこちらの方が多いかもしれない。
[ccrecmp3023] Krzho - Sandbox
スロベニアのKrzhoも、Bump Footからリリースしたことがある。実は、clear-cut-recordsを訪れるきっかけが、このリリースを知ってのことだった。Tr. 4「Playing-tool」をピックアップする。