- けいおん!! : #10 「先生!」
- 電車を降りた紬が携帯でメールを打っていると、さわちゃんを見かける。
- 朝はホームルーム→一時間目から三時間目まで連続で授業→昼休みは貧血で倒れた子を家に送り届けて→五時間目は授業をサボってる子がいないか校内見て回って→放課後は、ブラバンの大会近いから練習を見てあげて→で、バケツで足湯なさわちゃん。一日中立ちっぱなしなので。
- 健康サンダル→一年生にも「おしとやかな先生」で通ってるのでダメ。いっそのこと軽音部時代のことぶっちゃけちゃえば→律から写真を奪い取る。
- 教育は、ちょっとの隙が大変な事態を招く。こんな過去がばれたら…。荒れた校舎にグレた生徒、な図を想像する。それは飛躍のしすぎ。
- さわちゃんに電話。出るが、何やらびっくりしたようで、音楽準備室の外へ行くさわちゃん。怪しすぎる。ここで、紬が今朝のことを思い出した。
- 帰る五人。朝車で学校まで送られてきてけんかして、放課後急な電話にびっくり。相手はさわちゃんの…。まさか!?唯「お母さん!?」梓「唯先輩は考えなくていいです」。
- 噂をすれば、さわちゃん発見。挙動不審な動き。いつも帰っていくのとは違う方向。澪が探偵みたい。律が後をつけようと動く。紬が一番夢中だ。
- 目標確認。張り込み。唯があんぱんと牛乳を持っている。本格的。そして梓もはまってる。
- 周りを気にするさわちゃん。ずっと一人身で寂しいって言ってた気が。澪「まあ、先生にもいろいろあるんじゃないかな」。一同はっとする。唯「いろいろ?」
- 澪は「何もない」と急いで返す。確かに澪は美人だし、女子だけじゃなく男子にも憧れるやつがいてもおかしくはない。澪の話になる。勝手に話を進める唯と、じーっと見つめる紬。
- 澪「わ、私はそういうのに興味ない、ていうか、今は軽音が恋人みたいなもんだから」。間をおいて、一同拍手。澪は恥ずかしそう。そして律だけ叩かれた。
- 張り込みに戻ると、さわちゃんの相手が来た。女の人。紬が深読みしてる。
- 二人をつけて、おいしいハンバーグのレストランへ。ドラマみたい。律「あの女狐、今日こそ年貢の納め時だぜ!」とりあえず五名様で入店。さわちゃんたちを見通せる席へ。
- 澪と紬は頭を下げ気味にして、律と梓と唯は詰めて座ろうとしている。唯がギターを落として、彼女も引っ張られて転ぶ。その音がさわちゃんの相手にも聞こえたけれど、何でもないことに。
- 唯はテーブルの下に。律があんぱんを差し出すが、結局律と梓の間に出てきた。
- 唯たちが騒いでいるのは、さわちゃんたちには聞こえていないようだが。唯は、さわちゃんの相手を知っているらしい。
- ご注文は。紅茶五つ。ドリンクバー。さわちゃんたちの側を通っていかなくてはならない。無理。
- 律はチョコレートケーキ。梓はパンプキンプリン・ア・ラ・モード。紬はクリームあんみつ。取られた唯。
- 同じもの頼めばいいだろと澪が言うが、それがいやな唯は別のを選ぶ。で!プリンパルフェ。梓「当初の目的を完全に見失ってます」。
- 律「自分で食べた分は自分で払うんだからな」。唯「えっ、そうなの?」律「当たり前だろ」。唯がまた悩む。
- 梓がさわちゃんたちの方を見て、はっとする。さわちゃんの相手が微笑む。五人のことに気づいていた。
- さわちゃんが向こうを見てみるが、店員しかいない。五人は隠れるように身を低くしていた。
- レストランの外で、二人は別れる。唯はさわちゃんの相手を知っている。昔の写真で、さわちゃんと一緒に写ってた人。
- 澪「DEATH DEVILの…」。「クリスティーナだ!」澪と紬の背後から話しかけてきて、びっくりした澪はちょっと飛び出して固まる。
- クリスティーナは、五人が桜高の軽音部であることを言い当てる。制服着てギター持ってるから簡単にわかる。
- 軽音部OGとして話があるらしく、部長は誰と訊く。律は、DEATH DEVILのクリスティーナを彼女に重ね、怖くなって澪を部長に仕立て上げる。
- 屋台のおでん屋「こいちゃん」にて。クリスティーナが唯のギターを弾く。さわ子とは毎日ギターテクで競い合っていた。
- 屋台のおっちゃんに「のりちゃん」と呼ばれる。彼女の本当の名前は紀美。外国の方ではなかった。
- のりちゃん「他に何か食べたいものあったら、遠慮せずに言ってね」。律と唯「なんか、いい人だ…」。紬ががんもどきを注文する。見たことないし、何かすごそうな名前なので。
- 話と言うのは。のりちゃん「大したことじゃないんだけどね…。実はさわ子、結婚することになったんだ…」。……。一同「ええーー!?」のりちゃん「と言うのは冗談で」。
- 軽音部で同期だった子が結婚する。二次会でのりちゃんたちに演奏してほしい。でもさわ子だけが乗り気じゃない。律「軽音部にいたことは封印された過去だからな」。
- がんも来た。紬「思ったよりも普通ね」。梓「どんなもの想像してたんですか?」なんかこうとげとげした。
- 唯は紀美を見て、『なんか、かっこいいな』と思う。のりちゃんは唯にギターを返す。唯は音を出してみて、何か感じているようであるが、何でもないと言って弾きだす。
- 後日、英語は自習。澪に紬から手紙。『澪ちゃん何か考えた?』澪は『いろいろ考えたんだけど、昔のメンバーが説得してダメだったものを、私たちが説得してもな』と返す。
- 二次会は、他の先生や新聞部の子たちも行く。メイクすればなんとかなるかもしれないが、気づかれたときのことを考えると。
- 澪は唯にも送るが、返ってきたのは『みおちゃん字かわいいね』だった。律に送ってみると、落書きしてきた。笑いながらも『真面目にやれ』と再び律に送ると、今度はさわちゃんの落書き。
- 澪がさらに笑っていると、さわちゃん来た。「これ、あなたが描いたの?」真犯人は勉強する素振り。澪『裏切り者!』
- 紬「私です!」最初に手紙を送ったのも自分で、澪は悪くないと言う。紬「だから、廊下に立ってていいですか?」紬「立ちたいんです!」
- 澪と律と唯と一緒に、紬は廊下に立つ。小学校入学から12年の夢が叶った。紬「これで思い残すことはありません」。律「どんな夢なんだよ」。唯は「3-1」のプレートに手がついた。律「こっちはこっちで楽しんでるし」。
- 昨日紀美に言われたこと。さわ子の説得を頼まれていた。もし説得できなかったら。のりちゃん「特訓が待っていると思いなさい」。忘れていた唯。
- 特訓ていったい何を。大抵はきつい練習だけれど、運動部じゃないし。軽音部でも例えば…。
- 楽器もない状態で、音が聞こえるまで演奏させられる五人。音楽は魂で奏でるもの。魂がこもっていれば、楽器なんかなくても音は聞こえるはず。五人は演奏するが、聞こえないとのりちゃん言われる、というのを想像する。
- 放課後さわちゃんに話してみるかということになったら、さわちゃんが四人を呼びに来た。自習を続ける。
- 放課後、五人は職員室へ。さわちゃんは他の生徒と写真撮っていた。さわちゃんって本当に人気ある。頼みづらくなった一同。
- 帰路に着く五人。説得できなかったことを紀美に話していた。特訓の話は冗談。…なわけない?とにかく、ちょっと協力してほしいのだとか。
- 平沢家。唯は何か聞きながらギターを練習している。唯「ねえ憂、大人ってすごいね」。「私も、大人になったら大人になるのかな」。憂はジュース飲むか訊くけど、今日はお茶にする唯。
- 結婚式の二次会。さわちゃん来た。さわちゃんは演奏できないけど、新婦は何かを楽しみにしている。
- 「STAFF ONLY」のドアの向こうで、唯が泣いている。ギー太が何かされてるらしい。で、唯の顔が「怖く」なってるらしい。紬が何かやり過ぎたらしい。律は口から火を吹くことになるらしい。律が外に逃げてきた。
- 照明が落ち、DEATH DEVILによるライブが始まる。本日は特別編成。軽音部の五人がいる。のりちゃんはさわちゃんに気づいた。
- 演奏が始まったけど、唯が間違った。かわいいと言われて、応援も起こる。
- さわちゃん『違う、DEATH DEVILはこんなんじゃない、もっとお互い魂をぶつけ合う激しさこそがDEATH DEVILの真骨頂…いや、だめ、私はもう教師、あの時の魂はあの時に置いて来たの!それに、私のために頑張っているみんなに悪い…違う、DEATH DEVILは、私が追い続けたDEATH DEVILは、私の…DEATH DEVILは!』
- 照明がすべて落ちる。その中をさわちゃんが進み、ステージへ上がる。そして照明が戻る。
- さわちゃんのギターが吼える。さわちゃん「てめーら、DEATH DEVILはこんなぬるっちい音楽じゃねぇ!今、本物ってのを見せてやる!」
- 「ラヴ」を唱うさわちゃん。会場が沸き始める。梓や澪や律もノってる。
- DEATH DEVILの四人が軽音部だった頃。さわちゃんも進路調査票に「ミュージシャン」と書いていた。
- 演奏が終わる。やっちゃったさわちゃんとやらせちゃった五人。
- ずっとずっと頑張っておしとやかなキャラで来たさわちゃんが終わった。まことに面目ない五人。元はと言えば、さわちゃんが勝手にキレちゃうから。
- 音楽準備室に、さわちゃんとの写真を取りに来た生徒が。昨日のライブがかっこよかったと言う。結局どのさわちゃんでも人気ある。
- 律「しっかしバンドってあのくらいやらないと印象に残らないのかもな」。今度澪をメークするという話。テーブルにあるアルバムには、DEATH DEVILの四人の写真。